ぽろぽろこぼれる

888企劃主宰・馬原颯貴からぽろぽろこぼれる言葉を記録する。

眼球。

グロい話ではないです。

 

以前、ちょっと休憩するかと思って横になり、目を瞑った。

その日は結構体力を消耗して、疲れが溜まっているのが肌で感じられる一日だった。

もうひと踏ん張りのために仮眠が必要だ。

そう思って、さして眠くはなかったが休もうと思った、その時の話である。

不意に一つのことに意識が向いて、眠れなくなってしまった。

眼球である。

僕の眼球は目蓋の中に収まっていて、目を瞑っているこの瞬間、目蓋の裏を眺めていた。

じっと、眺めていた。

おかしいな……。

ドグラ・マグラの主人公のように考える。

おかしいぞ……。

確かに目を瞑っていて、何も見ていない。

何も見ていないのに、目蓋の裏を見ている。

この時眼球はどこを向いているんだろう……。

僕は自分の眼球が真っ直ぐ目蓋の裏を見つめていることに疑問を抱いてしまった。

そして次の瞬間には、眼球が斜めを向いている気がしてならなかったのだ。

右下の辺りを向いているのでは? そう思った次の瞬間には、左上を向いている気がしてくる。左右で別々の方向を向いている気さえしてくる。なんだ。僕の眼球はどうなってしまったんだ。

目蓋にギュッと力を入れる。そして筋肉を開放する。それでも眼球が真っ直ぐ前を向いている気がしない。

暗黒の世界に囚われた気がして、恐る恐る目を開く。当然、さっきまでと変わらない世界がそこにはある。また目を瞑る。やはり眼球の所在を認識できない。

僕は夢を見る。色のついた、リアルで疑いようもない夢を。

夢を見ているのは眼球ではなくて脳だと知っているけれど、果たして本当なんだろうか。

目蓋の裏に、僕の知らない全く別の世界があって、それを眺めているということはないだろうか。

そんなことを考えていたらアラームが鳴った。

休憩は終わりだった。仕事に戻らなければならない。

結局、ひとときも休まることがなかったって話。

 

オチがなくても毎日更新。

明日は名古屋!

 

またあした。