今日は雪が降った。
2,3時間のことだったが、職場の皆がはしゃいでいた。
当然僕もはしゃぐ。僕は東京よりも北に行ったことがない。かつてアメリカに旅行に行った記憶はあるが、サンフランシスコが春日部よりも北にあるとは到底思わない。実際北だけど。
僕が言いたいのは恒常的に雪の降る街で暮らしたことがないということだ。合唱の大会で富山県に行ったことはあるがあれは秋のことだ。雪など降るはずもない。
閑話休題。僕は雪ではしゃぐ人間だ。それが積もろうが、積もらなかろうが。
だがそれをおくびにもださない。「おくび」の意味がわからないが人間はわからない言葉を使う生き物だ。
「おいおい、雪なんかではしゃいでんじゃないよ」
そう言いながら僕は両腕を上下左右にリズミカルに振り乱し、腰を腕と逆方向に揺すった。マスクで隠れているが顔は満面の笑みだ。
はしゃいでいる人のポーズだ。
はしゃいでいる人がはしゃぎながら「はしゃいでんじゃないよ」と言う。
滲み出たのだ。
「はしゃぎ」が滲み出た。
「はしゃぎ」という言葉もよくわからない。
だがはしゃいだ。
みんなはドン引きしていた。
雪は積もらなかった。
ではまたあした。